2024年に公表された「中間整理」や2025年の追加検討を経て、今、2026年の通常国会への改正案提出を目指した動きが佳境に入っています。
今回の改正は、2020年や2022年の改正よりも「攻め」と「守り」の両面で踏み込んだ内容になりそうです。
現在の状況と、特に注目すべきポイントを以下に記載します。

【現在の進捗状況】
* 2024年6月: 個人情報保護委員会が「中間整理」を公表。
* 2025年: 具体的な制度設計の検討、パブリックコメントの実施。
* 2026年1月(現在): 政府が今国会(通常国会)に改正法案を提出する準備を進めている段階です。

▼今回の改正で「ここが変わる」4つの柱
今回の見直しは、DXやAIの急速な普及、そして個人の権利意識の高まりを受けてかなり実効性を重視した内容になっています。

1. 課徴金制度の導入(厳罰化)
これまで日本の個人情報保護法には、独占禁止法のような「売上に応じた課徴金」がありませんでした。
・内容: 重大な違反(不適切なデータ利用や漏洩など)に対し、高額な課徴金を課す仕組みが検討されています。
・狙い: 「指導や勧告だけでは甘い」という批判に応え、抑止力を高めるためです。

2. 「子供の個人情報」の保護強化
・内容: 16歳未満(あるいは15歳未満)の子供から同意を得る際の明確なルールの策定や、プラットフォーマー(注)に対する規制が強化されます。
・背景: SNSやゲームでのトラブルから子供を守るため、世界基準(GDPRなど)に合わせる動きです。

※(注)プラットフォーマー(Platformer)とは、商品やサービス、情報などを集約し、提供者と利用者をマッチングさせる基盤(プラットフォーム)を提供する事業者を指します。一般的に、特にインターネット上の巨大企業(Google、Apple、Amazonなど)を指して使われることが多いです。

3. 団体の差止請求権(権利の守り方)
・内容: 個人が企業を訴えるのはハードルが高いため、適格消費者団体などが個人に代わって不適切なデータ利用を止める(差止請求)ことができるようになります。
・狙い: いわゆる「ダークパターン」による同意取得などを組織的に是正させるためです。

4. データの利活用とAI対応
・内容: AIの学習用データとしての利用や、統計データの作成については、一定の条件下で規制を緩和(または明確化)する議論も進んでいます。
・狙い: 「守り」を固めつつも、日本の産業競争力を削がないためのバランス取りです。

【今後のスケジュール(予測)】
法案が無事に今国会で成立すれば、通例として以下のような流れになると思われます。

段階 予想時期
法案成立2026年 前半
公布2026年 夏頃
全面施行2027年〜2028年頃(周知期間として1〜2年後)

企業にとっては「課徴金」が最大のインパクトになります。
これまで以上にコンプライアンスの重要性が増す、”戦々恐々”の改正になるかもしれません。

[ご参考] 個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しの制度改正方針 概要 (PDF – 457KB)